小6に上がると、中学受験の一年はあっという間に過ぎていきます。塾の課題は増え、模試や過去問、志望校選びと、やることが次々に押し寄せます。何から手をつければよいか分からないまま、気づけば夏、そして本番という家庭も少なくありません。
とはいえ、この一年は季節ごとにやるべきことがはっきり分かれています。流れを先に頭へ入れておけば、いま何に力を注ぐべきかで迷わずにすみます。
この記事では、小6の一年間の流れから、模試と過去問の使い方、出願と併願の準備、生活と体調の整え方までを季節順にまとめました。わが子の年間計画を組み立てる手がかりとして読み進めてみてください。
中学受験の小6の一年間の流れ
小6の学習は、季節が進むごとに中身が大きく入れ替わります。ここでは、一年の流れと季節ごとにやることを表にまとめて説明します。
小6の一年間は基礎固めから直前対策へ段階的に進む
小6の一年間は、大きく4つの時期に分かれて進みます。前半は既習範囲の基礎を固める時期、夏は演習量を一気に増やす時期、秋は過去問と志望校対策の時期、そして冬は本番へ向けた直前調整の時期です。時期ごとに学習の中身が入れ替わるため、同じやり方を一年続けるわけではありません。
| 時期 | 主にやること |
|---|---|
| 2〜7月(前半) | 既習範囲の基礎固めと弱点の補強 |
| 7〜8月(夏) | 夏期講習で苦手分野をつぶす(天王山) |
| 9〜11月(秋) | 過去問演習と志望校別の対策 |
| 12〜1月(直前期) | 出願と併願の確定・最終調整・体調管理 |
| 1〜2月(本番) | 1月の前受けから2月の本番受験 |
小6の一年は「基礎固め→夏の演習→秋の過去問→冬の直前調整」の順に進むのが基本の形です。いま自分がどの時期にいるかを見失うと、秋になってもまだ基礎ばかり解いているといった遅れが出ます。まずは表の流れを紙に書き出し、今月に力を注ぐことを1つ決めてみてください。
小6前半は既習範囲の基礎を固めて弱点を補強する
小6前半は、これまで習った範囲の基礎を固め直す時期です。新しい単元を追うより、抜けや苦手を見つけて埋める作業が中心になります。
この時期に基礎が固まっていないと、夏以降の演習で得点が伸び悩むのです。算数の計算や理科の基本知識など、土台になる部分を先に安定させておくと、後半の伸びが変わってきます。焦って先取りへ進むより、いま解ける問題を確実に増やすほうが得点は安定します。小5からの積み残しがある場合は、前半のうちに戻って復習しておくと安心です。まずは直近の模試やテストで間違えた単元を書き出し、優先して解き直してみてください。
夏休みは演習量を増やす中学受験の天王山になる
夏休みは、まとまった学習時間が取れる中学受験の山場です。多くの塾が夏期講習を組み、1日の勉強量がふだんより大きく増えます。
夏は苦手分野をまとめてつぶせる最後のまとまった時期になります。9月からは過去問や実戦演習が中心になり、基礎に立ち返る余裕が減っていくためです。夏のあいだに理科や社会の暗記、算数の弱点単元を一つずつ片づけておくと、秋からの演習がぐっと楽になります。ここで弱点を残すと、秋以降に取り返す時間をとりにくくなります。講習の予定に加えて、家庭学習で復習する時間も先に確保しておきましょう。
秋以降は過去問と志望校別対策で得点力を仕上げる
秋に入ると、学習の中心は過去問と志望校別の対策へ移ります。基礎を固めた力を、実際の入試問題で得点に変えていく時期です。
この時期は、志望校の出題傾向に合わせて対策を絞ることが大切になります。塾でも学校別の講座や特訓が始まり、本番を意識した演習が増えます。過去問で取れなかった分野は、基礎に戻って解き直すと得点が安定するのです。得意な科目を伸ばすより、失点しやすい分野を1つずつ減らすほうが総合点は上がります。学校ごとに問題の傾向が違うため、志望校の過去問を早めに手元へそろえておくと対策を立てやすくなります。秋の模試の結果とあわせて、いまの実力と志望校の距離を月に1度は確かめておきましょう。
小6の模試の受け方と生かし方
模試は、順位を確かめるだけの場ではありません。ここでは、弱点の把握と受験校選びに模試を生かす方法を説明します。
小6の模試は合否判定より弱点の発見に使う
小6の模試は、合否の判定より弱点を見つける道具として使うと効果的です。判定の数字だけを追うと、点数の上下に振り回されてしまいます。
模試の価値は、どの単元で何点を落としたかが分かるところにあるのです。間違えた問題を分野ごとに整理すると、次に復習すべき単元がはっきりします。判定がよくても落とした単元は必ず残るので、そこを埋める材料として結果を読み解きましょう。同じ間違いを次の模試でも繰り返していないかを見比べると、弱点が本当に埋まったかが分かります。返却された答案は、正誤だけでなく間違え方まで見て弱点を洗い出してみてください。
秋の模試は志望校別の判定で受験校を絞り込む
秋になると、志望校別の判定が出る模試が増えます。合格力判定サピックスオープンのように、9月から12月にかけて複数回行われる模試もあるのです。
この時期の判定は、受験校を絞り込む具体的な材料になります。複数回の結果を並べれば、どの学校がどれくらいの位置にあるかが見えてきます。1回の判定だけで受験校を大きく動かすのは危険です。
秋に判定が下がると不安から受験校を安易に下げたくなりますが、1回の数字で決めるのは避けてください。複数回の平均で見て、上下の幅の中で判断するほうが安全です。
判定は毎回記録し、数回分をならして受験校の候補を見直してみてください。
模試の結果は偏差値の上下の幅で受け止める
模試の偏差値は、1回の数字を鵜呑みにせず幅で受け止めることが大切です。子どもの成績は回によって上下に振れるためです。
良かったときと悪かったときの偏差値を並べ、その範囲を実力の目安と考えます。悪かったときの数字でも届く学校を安全校に据えておくと、出願の計画が崩れにくくなるのです。調子が悪い日の自分を基準に受験校を選んでおくと、当日に力を出しきれなくても合格を確保できます。1回だけ判定がよくても、次の回で下がることは普通に起こります。模試の結果は毎回記録して、数回分の幅で受験校を見積もってみてください。
中学受験の過去問の使い方
過去問は、小6後半の学習の柱になります。ここでは、過去問を始める時期と効果的な解き方を説明します。
過去問は小6の9月ごろから解き始める
過去問は、小6の9月ごろから解き始めるのが一般的なセオリーです。それより早く始めても、入試レベルの問題を解く力がまだ育っていないためです。
9月までに基礎と標準的な解法を固めておくと、過去問で得点が伸びやすくなります。夏の演習で土台を作り、秋から実際の入試問題に移るのが自然な順番です。早く始めれば有利というわけではなく、力がついてから取り組むほうが得点につながります。
過去問は小6の9月ごろから始め、第一志望を最優先に進める。基礎が固まる前に手を広げても得点は伸びにくい。
まずは志望校の入試日程と過去問の入手時期を調べ、9月から始められるよう準備しておきましょう。
過去問は第一志望を優先して複数年分を繰り返す
過去問は、第一志望を最優先にして複数年分を繰り返し解きます。志望順位の高い学校ほど、傾向をつかむための量が必要になるためです。
| 受験校 | 解く年数の目安 |
|---|---|
| 第一志望 | 5〜10年分を複数回 |
| 併願校 | 3〜5年分を1〜2回 |
第一志望は5〜10年分を複数回、併願校は3〜5年分を1〜2回が一つの目安です。同じ年度を2回、3回と解き直すと、出題のくせや時間配分が体になじみます。すべての学校を同じ量こなす必要はなく、志望順位に応じて配分を変えます。まずは第一志望の過去問から手配し、解く年数の計画を立ててみてください。
過去問は解き直しで出題の傾向をつかむために使う
過去問は、1度解いて終わりにせず解き直しで傾向をつかむために使います。点数そのものより、なぜ間違えたかを分析することに意味があるのです。
解き終えたら、落とした問題を分野や出題形式ごとに見ていきます。同じような問題を繰り返し間違えるなら、そこがその学校で狙われる弱点です。解き直しのときは、時間を計って本番と同じ条件で取り組むと精度が上がります。1度目に解けなかった問題を2度目、3度目で確実に取れるようにすると、得点力が底上げされます。過去問ノートを作り、間違えた問題と解き直しの記録を残してみてください。
中学受験の出願と併願校の準備
出願と併願の組み方は、合否そのものを左右します。ここでは、冬に固めておく出願と併願の準備を説明します。
出願は1月の前受けから2月本番の日程で組む
出願は、1月の前受けから2月の本番までを1つの日程として組みます。首都圏では2月1日から本番が始まり、その前に1月入試を受けられる地域があります。
1月の前受けで合格を1つ確保しておくと、2月の本命に落ち着いて向かえるのです。試験会場の雰囲気に慣れる練習にもなり、当日の緊張をやわらげます。出願は学校ごとに受付期間や方法が異なるため、冬のうちに一覧にまとめて締め切りを管理するのです。願書の記入や証明写真の用意にも時間がかかるので、12月のうちに書類をそろえ始めると慌てずにすみます。出願手続きの細かな流れは、別の記事も参考にしながら早めに準備を進めておきましょう。
併願校は安全校を土台に無理のない日程で決める
併願校は、確実に届く安全校を土台にして日程を決めます。合格を1つ確保できる学校があると、受験全体が落ち着くためです。
併願は安全校を必ず1校は土台に置いてから、実力相応校とチャレンジ校を積み上げるのが基本になります。初日に合格の可能性が高い学校を置くと、成功体験から本番の数日に入れるのです。1日に何校も詰め込むと体力を削るので、移動と休憩を含めて無理のない日程にします。午後入試を組み合わせれば受験機会は増えますが、子どもの体力とのバランスも見て決めます。直前期の過ごし方とあわせて、併願の日程は冬のうちに家族で確認しておきましょう。
小6の生活と体調の整え方
学力を出しきるには、生活と体調の土台が欠かせません。ここでは、一年を通した生活と体調の整え方を説明します。
小6の生活は起床と就寝の時刻を一定に保つ
小6の生活は、起床と就寝の時刻をできるだけ一定に保つことが大切です。睡眠のリズムが乱れると、日中の集中力が落ちて学習の効率が下がります。
勉強量が増える時期ほど、夜ふかしで睡眠時間を削りがちになります。しかし、睡眠を削って得た時間は、翌日の集中力の低下で相殺されてしまうのです。決まった時刻に寝起きする習慣は、本番当日に実力を出しきる体調にもつながります。入試は朝から始まるため、早寝早起きの生活を早いうちから体に慣れさせておくと本番で頭が働きます。まずは就寝時刻を1つ決めて、平日と休日で大きくずらさないようにしてみてください。
直前期の体調管理は睡眠と感染対策を優先する
直前期の体調管理は、睡眠と感染対策を何より優先します。本番の1月と2月は感染症が広がりやすく、体調を崩すと実力を出せないためです。
直前期は新しい問題に手を広げるより、睡眠と体調を守ることを優先する時期になります。手洗いやうがい、人混みを避けるといった対策を家族で徹底するのです。食事と休息をしっかり取り、体調を崩したときは早めに休ませて回復を優先します。この時期に無理な夜型学習をすると、免疫が落ちて本番前に体調を崩しやすくなります。睡眠を軸に一日の予定を組み、体調を最優先に直前期を過ごしてみてください。
親は成績より子どもの気持ちを支える側に回る
直前期に近づくほど、親は成績より子どもの気持ちを支える側に回ることが大切です。成績の話ばかりになると、子どもは追い詰められて力を出しにくくなります。
結果を責めるより、努力の過程を認める声かけを心がけましょう。できたことを1日1つ見つけて、言葉にして伝えてみてください。
まとめ
中学受験の小6の一年間は、前半の基礎固めから夏の演習、秋の過去問、冬の直前調整へと段階的に進みます。季節ごとにやることが入れ替わるため、いまが何の時期かを家庭で共有しておくことが大切です。
模試は弱点を見つける道具として使い、判定は複数回の幅で受け止めます。過去問は9月ごろから第一志望を優先して繰り返し、出願は1月の前受けから2月本番までを1つの日程で組みます。安全校を土台にした併願と、睡眠を守る体調管理が、実力を出しきる支えになります。
まずは一年の流れを表にして、今月やることを1つ決めるところから始めてみてください。


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